盆栽妙のサステナビリティの取り組み SDGs

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SDGsの取り組み

3つの「和」を大事にし、SDGsに取り組んでいく

妙興が大事にする3つの「和」

私たちは活動していく上で3つの和を大事にしたいと考えています。

1つめの和は、日本文化の和です。小さな鉢の上に日本の景色を表現した盆栽、受け継がれてきた技法によって作られる職人の伝統工芸品。私達が世界に誇る日本の文化です。

2つめの和は、なごみです。緑と美しい景色で人々の心を癒やし、楽しませ、心を豊かにします。

最後の和は、私達とお客様、世界の人たちと輪になって、コミュニケーションをとることで、美しい景観の維持や日本の文化を守っていくことです。

3つの和が広がっていくことで、わたしたちも、世界も幸せになっていくと信じており、そういった取り組みがSDGsにつながっていくと考えています。

具体的なSDGsの取り組み

①日本の文化を守る

盆栽を売ることは大事ですが、それよりも、一人でも多くの人に盆栽のことや、盆栽をつくっている地元や職人たちのことを知ってほしいという思いで運営しています。 ひとりでも多くの人に盆栽のことを知ってもらうことが、産地を守り、昔から続くのどかな盆栽畑の風景を守り、日本の文化を守ることに繋がると信じています。

盆栽の現状 失われゆく地域の風景 盆栽畑

妙興のある香川県高松市は国内最大規模の盆栽生産地です。松盆栽の8割は香川産です。高松市には100人以上の盆栽職人が日々、盆栽を作っています。

一般的に、盆栽といえば、一昔前は庭先でおじいさんがチョキチョキとハサミでお手入れする姿をイメージするほど、生活に馴染みのある趣味として認知されていました。国民的なアニメのサザエさんでも波平さんが盆栽を手入れするシーンはお馴染みです。

しかし、現在では生活様式も変化し、人々から盆栽が忘れられた存在になってしまいました。需要の減少にともない、盆栽園などの盆栽販売店や盆栽生産者の廃業が進み、いよいよ身近に盆栽自体を目にすることがなくなりました。

当店は香川県高松市にあり、ここは日本最大の松盆栽の産地です。縮小する市場の流れの中で、廃業する生産者が相次ぎ、盆栽の郷と言われた高松も風前の灯火でした。

また、なんとか頑張って生産を続けている生産者も、行き場を失った盆栽を多く抱えて苦しんでいました。地元の生産者組合では、日夜どうすれば盆栽が売れるのか話し合う日々が続きましたが答えはでませんでした。

知られていない盆栽にショック

妙興のある香川県高松市は国内最大規模の盆栽生産地です。松盆栽の8割は香川産です。高松市には100人以上の盆栽職人が日々、盆栽を作っています。

あるとき、うどんを食べに大阪から観光で訪れた若い女性のグループが、近くにあった盆栽畑と盆栽園を目にして、フラリと訪れました。はじめは盆栽ともわからず、興味本位で門をくぐったようです。そしてそこに置かれているのが盆栽であると説明すると、とても驚いて、写真を撮ったり、いろいろ見て回りだしました。

話を聞くと、盆栽をちゃんと見たのは初めてで、こんなに素敵なものだと思ってもみなかったと。京都や奈良のお寺や日本庭園に行くのが好きだと言っていた女性達でしたが、日本的なものに興味がある人ですら盆栽は認知されていないことに私達生産者はショックを受けました。

そしてどうすれば世の中の人に盆栽を知ってもらえるのか。iphoneが発売されてインターネットがより身近になった十数年前、盆栽はインターネットに活路を求め動きはじめ、それから楽天市場に出店を決めることになりました。それが日本の文化を守ることに繋がると信じて。

②妙興は女性の活躍を推進しています。

盆栽界は男性中心の世界でした。活躍する職人や業界団体の中核にいる人も男性がほとんどです。今でこそ盆栽の女流作家が躍進し女性への門戸が開かれては来ましたが、まだまだだと感じています。盆栽の愛好家人口が年々減少し市場が縮小している中で、私達女性だからこそできることがたくさんあると考えています。そのために、女性が安心して働ける職場づくりにも取り組んでいます。

女性中心の盆栽の会社になった理由

妙興の代表であるわたし、髙村雅子は当時、盆栽愛好家の一人でした。子育てをする傍ら、盆栽を趣味にしていたわたしは、周りのママ友に妙な趣味だね、変わってるねと言われてしまうほど、盆栽についての周りのイメージは良いものではなく、悲しい気持ちになり、もっと盆栽を知ってほしいと思ったものです。そのときの気持ちを忘れないように、ネットショップを立ち上げることになったときショップ名を「盆栽妙」にするのですが、そのときはそんなことを想像もしていませんでした。

ある時、私の師事する盆栽の師匠が盆栽業界の話をしてくれました。減少し続ける盆栽愛好家人口、後継者のいない盆栽生産者、世の中から忘れられていく盆栽。その話を聞いてわたしは何かできることはないのか、いてもたってもいられない気持ちになりました。

そうして、私は、ママ友たちに声をかけ、盆栽の魅力を伝えるべく盆栽教室を始めました。盆栽という未知の世界に、興味をもって集まってくれた友達たち。毎日の子育てにヘトヘトで、専業主婦で社会と断絶され孤独な気持ちになっていたママたちにとって盆栽はとても癒やされる存在になりました。

盆栽の魅力を知った仲間たちと私は、もっと盆栽の魅力を世の中に伝えられないか考えました。伝統文化の盆栽は男社会で、愛好家も男性が圧倒的に多い世界です。なので、女性だから、主婦のもっと身近な目線で伝えられることがあるのではないか、そして、小さい子供を抱えて社会で働くことが容易ではなかった当時、わたしたちは、自分たちの時間が使いやすい、インターネットの仕事としてネットショップを立ち上げることにしました。

はじめる盆栽専門店「盆栽妙」わたし達があなたの盆栽ライフのスタートをお手伝いします。こうしてはじまった女性たちの盆栽屋、わたし髙村雅子は今では盆栽家として活躍し、妙興は女性スタッフで運営されています。もちろん、当時の思いそのままに、ママたちが働きやすように、会社に子ども部屋をつくり、夏休みなんかは仲良く親子出勤です。

③長く大事に使っていけるように

盆栽や、お手入れする道具や鉢など、どれも日本の工芸品ですが、生涯の趣味として、樹や道具を長く使っていけるように、お客様と輪を作りしっかりサポートしていくことが大事です。

妙興のコミュニティづくり

盆栽は趣味として始めるには1人では少しハードルが高いです。そのため、インターネットで販売しお客様にお届けした後も、電話やメールでしっかりとアフタフォローとサポートを行っています。そういった部分は、共感力や、細かな気遣いのできる女性ならではの仕事だと感じています。

しかしながら、輪を大きく広げていくために、インターネットだけでは限界を感じていました。

そこで、私たちは、盆栽で繋がった人々をお出迎えし、もっと広く情報発信をしていく場として盆栽の複合施設を四国に2023年秋にオープン予定で進めています。盆栽を見て、触れて、学べる盆栽美術館を中心に、盆栽カフェやゲストハウス、体験教室など、盆栽のすべてを体験できる施設をつくります。

最後に

私たちは盆栽屋です。地球や世界のために何かやらなくちゃって思うとすごくプレッシャーに感じますが、盆栽屋として今までやってきたことをこれからもコツコツと一歩ずつ進め持続していくことが、世の中のため、はては地球のためになるのならこんなうれしいことはありません。そういった思いを私達会社の人間だけでなく、盆栽にかかわる人たちや、お客様と共感しだんだんと大きな輪になっていければいいなと心から思っています。