「盆栽とはなにか」
「盆栽」と聞いた時、あなたは何をイメージするでしょう?
小さくて趣のある鉢を思い浮かべる人もいれば、大事そうに盆栽を育てるおじいちゃんを思い浮かべる人もいるかもしれません。盆栽は普通のガーデニングと比べて、仕立てるのに長い時間がかかります。愛好者は自分の盆栽をより赴き深い姿にするために、天候や気温まで気を配りながら盆栽の面倒を見るのです。
意外かもしれませんが、近年世界中でBonsaiが注目されています。高尚な趣味として楽しむ人が増えてきたのです。小さな苗が毎日少しずつ変化していく様に愛着を感じるのは、どうやら日本人だけではないようです。
盆栽が趣味とされているのは、樹の仕立て方や種類に形式やルールがあるからです。
好きにやればいいじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、サッカーや野球と同じでルールを知ればより盆栽の魅力を楽しむことができます。盆栽における形式やルールは決して平等を確保するためのものではなく、先人達がより素晴らしい盆栽を仕立てるために培ってきた貴重な知恵なのです。またルールを知ると、鑑賞する際の楽しみも大きくなります。
知識と観察眼を駆使することで、その盆栽の背景に隠れたストーリーを読み取れるようになるのです。いったいどんな場所で育てられ、仕立て者はどのような意図を持って仕立てたのか…、考えを巡らせることで、自分自信の趣味もより充実したものになるでしょう。
盆栽は植物を「仕立て」て楽しむものです。ただ鉢に樹を植えればいいわけではなく、仕立てる過程で様々な技が必要になります。
例えば枝の剪定や根の切り詰め、針金で枝を曲げる、などが挙げられるでしょう。しかし仕上がりに人工的な部分が見えてしまってはいけないというのが盆栽の難しいところです。ありのままの自然をそのまま見せるのではなく、自然の美しさや厳しさを凝縮して魅せることができているものが、良い盆栽と言われます。
表現方法は様々なので、初心者はまず基本樹形を覚えるところから始めましょう。
幹が天に向かって真っすぐ伸びる「直幹(チョクカン)」、幹が一方こうに傾いている「斜幹(シャカン)」、太い幹が曲線を描きながら伸びる「模様木(モヨウギ)」、幹が根もとか2~3本に別れている「双幹・三幹(ソウカン・サンカン)」など、その多様さは挙げればキリがない程です。
しかしどの表現にも考えられた意図と、それに準ずる技術があります。また盆栽用土の種類も多彩で、時には植物の性質に合わせてブレンドすることもあります。まずは盆栽の基本的な部分を抑え、実際に手を動かしながら覚えて行くのが良いでしょう。