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盆栽

海外でも大人気なBONSAI

明治時代以降、日本の盆栽は世界中にファンを増やし続けています。

1つの鉢を数百年という規模で丹念に育てて行く過程は、趣味というより一種の美学にも捉えられているようです。

盆栽が本格的に海外に広まり始めたのは、第二次世界大戦後のことでした。1964年の東京オリンピックと1970年の日本万国博覧会が火付けになったことは言うまでもありません。

万博では日本政府が日本庭園を出展し、全国から集めた名品盆栽を展示しました。海外から来た人々にとても好評だったようで、その後盆栽の魅力は彼らが帰国するとともに各国でじわじわと広がっていったと言われています。

盆栽

驚くことに、今では「BONSAI」という言葉が海外でも一般的に通用します。

海外で本格的な作品づくりに取り組んでいる人も多く、アメリカやヨーロッパでは時折盆栽展が開催されているようです。

そこに並ぶ作品のクオリティは非常に高く、技術面・状態面も日本人に劣りません。もちろん、中には各国の文化を象徴するような独特の盆栽もあります。例としてはハワイや東南アジアの南洋樹の盆栽などを挙げることができるでしょう。

愛好者はみな盆栽の善き伝統を踏襲しつつ、自国の文化や技術を取り入れながらユニークな発想で盆栽を仕立てているのです。

盆栽は自然の魅力を凝縮して表現するものであり、決して樹木を小さくして鉢に植えただけのものではありません。

人の手を加えることでいかに自然の雄大さや美しさを小さな盆栽で表現できるかがポイントであり、おもしろさでもあります。不自然が見えないよう技術と工夫をこらし、豊かな完成で雄大な風景を描いていくのです。

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仕立てる側は、枝葉の広がりから鉢土の量、バランスにまでこだわる必要があります。他人が盆栽を鑑賞した時その背景に豊かな自然を想像することができれば、その盆栽は良い盆栽と言えるでしょう。

海外で一般的な洋風なガーデンと日本のBONSAIでは、こだわるポイントが異なります。

どちらも自然の美しさを鑑賞する点は共通していますが、BONSAIの方が極めて象徴的かつ隠喩的なのです。鑑賞者がBONSAIを楽しむには、小さな存在の裏に隠れた物語を想像する力が必要になります。

また仕立てる側は、鑑賞者がそのような楽しみを見いだせるようBONSAIを1つの空間として仕立てていくのです。もしかすると海外の人たちは、この和の文化特有の奥ゆかしさに惹かれているのかもしれません。

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