足立美術館に行ってきました!
最近話題の足立美術館、テレビでよく見る機会も多いです。恥ずかしながらテレビで知るまでは、東京の足立区にある美術館だと思っていました。
でも調べてみるとアメリカの日本庭園雑誌で13年連続日本一の庭園に選ばれたようです。なので外国人には日本の庭園と言えば足立美術館だと言っても過言ではないぐらい知名度が高いそうです。
足立美術館は島根県の出雲大社から1時間ほどのところにあります。かなり田舎なところです。なぜこんなところにあるのかというと足立美術館を40数年前につくった初代館長の足立全康さんという方が、地元に恩返しがしたいとのこと、裸一貫から事業を起こし財を成し集めた美術品を展示する場所を作ったのがはじめでした。
その後、美術品だけでは人が集まらなかったので、横山大観の世界を庭で表現しようと日本庭園をつくったそうです。
なので足立美術館には日本庭園と日本画を見ることができます。そうして年々人気が出て今では年間50万人以上が訪れる人気美術館となりました。
日本庭園と言えば日本の風景を見立てた伝統的な庭園です。盆栽家としても大いに勉強になるところ。盆栽愛好家にも庭園好きは多いです。遠くて行けない、まだ行ったことがない方のために、店長高村が体験してきた足立美術館のリポートをしますね。
足立美術館はすごく田舎にありました
高速をおりて田舎道を走っていると山と田んぼが続く風景の中に足立美術館の建物が見えてきます。遠くから見るととても大きな日本庭園があるようには見えませんでした。また、外観は市民体育館と道の駅がくっついたような感じです。
広い駐車場には車がいっぱいとまっていました。バスも何台もとまっていて、団体のお客さんも多いようです。ここは美術館ではめずらしい営業部門があり団体誘致に力を入れているそうです。
広い駐車場を抜けると美術館の入り口が近づいてきます。
正面左にはさっそくちょっとした日本庭園が。すごくきれいです。
まだ入ってもいないのにすごいお庭です。
入ると受付があります。外国人の方も並んでいました。入館料は大人2300円です。20名以上で団体割引があります。チケットが買えたらゲートを抜けていざ館内へ
テレビで紹介されたあの庭が見えてきます。
同じ庭なのですが見る位置によっていろいろな表情を楽しめます。
美しい苔庭もあります。
館内から離れの茶屋に行く道も雰囲気があります。
足立美術館と他の日本庭園と違うところ
館内を通って庭園を見て気づきました。他の日本庭園と違うことに。それは、庭園内を歩けないことです。それもそのはず、足立美術館では庭園を日本風景画のように楽しむようにつくられていたのです。なので、絵画のように楽しめるように館内では様々な施しがされています。
窓ガラスが額縁のように一枚の絵のようになっています。もともとは初代館長足立全康さんの横山大観の世界を日本庭園で表現したいという思いから、このように日本庭園を絵として鑑賞して楽しめるようになっています。
絵としてだけでなく、風景画の掛け軸として楽しめるところもあります。
日本庭園をこのように楽しめるのは意外でした。兼六園などの日本三大庭園にも行きましたが庭園内を歩いて散策することが出来ました。しかし足立美術館はほぼ館内から出ることはありません。
絵として楽しむために随所にこだわりがあります。遠くの山などの景色を庭の一部のように利用することを借景といいますが、足立美術館では庭向こうの山を買い取り、山に生える木々の形状にも気を配りみごとな借景をつくっています。
そしてこんなところにもこだわりが。
何気ない目立たない竹垣があったのですがよくみると自然の竹の流れで模様を作っていました。ものすごく細かいこだわりです。
足立美術館に行った感想
テレビでも職人さんが言っていましたが庭造りは足立流だと。一枚の絵として見せるために、園内を歩くための庭を作る造園とは作り方が違うのかもしれません。樹ひとつひとつの手入れの仕方や作り方を見ても盆栽職人のものとも異なります。同じ樹なのですが、それはやはり、樹そのものが主役で、そこから風景を想像させるために作る盆栽の技法と、作った風景全体の一部として樹を溶け込ます足立流とは違うのは当然のことなのかもしれません。どこを見せるか、どこから見せるか、これはとても重要な要素であったことを今回は非常に勉強になりました。
と、こんな難しく考えてしまいましたが、特に何も考えずに風景画として楽しめる場所だと思いますのでみなさんもぜひ一度行ってみてください。
あとここでは紹介できませんでしたが別館では横山大観や有名な日本画家の絵もいっぱい展示されています。
館内を出ると正面入り口の立派な赤松のお手入れを職人さんが雨の中されていました。ご苦労さまです。美しいお庭をありがとうございました。
夕食は並びにあるごはん屋さんでどじょう鍋を食べて帰ろうかしら。