未完成の魅力
2013年12月9日

投稿者:高村雅子

昨日、京都にいってきました。
とてもいい天気に恵まれ一日中京都を
満喫しました。

紅葉は場所によって色があせてきているところもありましたが、
そこがまた私のツボであり、ひらひらと舞っていてとても綺麗でした。

その中でも一番のお気に入りだったのは『龍安寺』です。
読み方はりょうあんじと読みます。

龍安寺というお寺は右京区にあります。

こちらは池の周りに紅葉したモミジ、
また、水面に映ったモミジと目を楽しませてくれます。
20段ほどの石段の両側からの紅葉したモミジが、
禅宗の特徴を持つ庫裡の白壁に映えて、一段と色鮮やかでした。

龍安寺といえば石庭として有名な方丈庭園で
白砂に15個の石を配した名庭です。
実はこのお庭が見たくてここに行くことに決めました。

その石庭には不思議なことがあるのです。
石庭の石は15こあります。そして、座ってお庭を眺めると、
どこから見ても石の数が一つ足りないのです。

まさにミステリーです。

石庭には4つの謎が秘められているそうです。

刻印の謎
作庭の謎
遠近の謎
土塀の謎

謎解きはここで説明してしまうより、
実際に行かれて確かめてくださいね。
私のオススメスポットです。

この石庭はいろんな説があるのですが、
東洋では十五夜(満月)にあたる15という数字を
「完全」を表すものとしてとらえる思想があり、
15に1つ足りない14は「不完全さ」を表すとされているのです。

日光東照宮の陽明門にみられるように
「物事は完成した時点から崩壊が始まる」という思想があり、
建造物をわざと不完全なままにしておくことがいいとされています。

そういえば東洋ではないですが、サグラダ・ファミリアも未完成ですね。

未完成がいいのは盆栽も同じだと思いませんか?
完成がないのがいいと思います。
生きている分伸び、剪定して枝を増やし、枯れる部分もあり
となると完成って生きているかぎりないのが本当ですよね。

カッコいい盆栽でも完成形とは言われますが、完成ではないです。

未完成だからこそ面白い、不完全だから完全に近づけようとする。
美しさは完璧にはなく、個性が美しさであると思います。
同じ盆栽を育てても、育てる人が違えば何年後かには
違う樹形になっているなんてとても面白いです。

こういった日本の伝統、教えが盆栽にも詰まっています。
しかし、盆栽が難しい、高いと思われ、遠ざけてこられたのが現状。
もっと盆栽人口が増えればいいですね。

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