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盆栽とは小さな鉢の上に壮大な自然の情景を作り出す芸術作品です。日本伝統の文化であり、その広がりは世界に「bonsai」として関心を集めています。
確かに盆栽とは日本人が誇れる素晴らしいものですが、その敷居の高さがネックになり、盆栽とは難しいものという誤ったイメージを持たれることになってしまいました。
まず盆栽がけっして難しいものではないという理解と、それを乗り越えるとたいへん多くの楽しみがまっているということをブログでお伝えできればと思います。
まず、初めての方は盆栽と園芸の何が違うのかわからないと思います。どちらも植物を育てるということに違いはありません。園芸が花や実、葉そのものの美しさを楽しむのに対して、盆栽はそれに加え、樹と鉢が表現する小さな風景を自然の風景に見立てて楽しみます。どのようにすれば自然の風景を表現できるのでしょうか。
風の強い沿岸部では幹が傾いて独特の雰囲気を持つ松の木を見かけます。切り立った崖に生える木が横に向かって伸び凛としている風景はいかがでしょうか。強い風の吹かない盆地の平野では太陽に向かって一直線に伸びる木を多くみます。自然によっては同じ木でも環境によってその姿を変えます。そういった風景の一部を切り取り盆の上に表現し、自然を連想することでこころにしみいる作品をつくります。
この一連が盆栽であり、盆栽の楽しみでもあります。園芸が花や葉の美しさその一瞬を切り取るなら、盆栽は永遠を映し出すといってもいいでしょう。
どちらがすごいとか楽しいとかではなく、園芸と盆栽それぞれに目的と楽しみ方があるといったことが分かって頂けたかと思います。