盆栽でもしっかり実をならすための受粉の話
2014年3月16日

投稿者:速水秀樹

サクランボや姫リンゴ、紫檀や老爺柿など実を楽しむ盆栽はいろいろあります。

小さな実がなりはじめてだんだん大きくなり、そして色づいていくのは見ていてとても楽しいです。

実のなる盆栽は毎年いかに実をつけるかといったところが、難しくもあり楽しみでもあります。

なにも気にしなくても、肥料と水やりの基本の管理をしっかりしてやれば簡単に実がなることもあれば、しっかり作業してやらねば実がつかないときもあります。

じっさい、実がなるというのはどういうことでしょうか。

受粉というのがポイントになります。

今日は受粉のお勉強です。

植物は種の繁栄のために実をつけるのは学生時代に生物の授業で習いましたね。

果実を動物に食べてもらうことで中に入っているタネを運んでもらい繁栄地を広げます。

なので果実は植物にとって大切なものなのですが、実がならない原因が大きく2つあります。

ひとつは、樹が体調によるものです。

体調が悪い状態だと結実は非常に体力を使うので、今年はやめとこうとなります。

また、植え替えしたときに樹が若返ったと勘違いして結実を見送ったりします。

もうひとつの原因は受粉できなかったことによるものです。

受粉とは雌しべに花粉が付着することで、受精してそこから種子が成長を始めます。

自然界では虫や風が花粉を運んで受粉させてくれますが、盆栽においては環境によっては受粉するのが難しい場合があります。

室内で花の咲く期間の鑑賞を楽しんでそのままでいると、虫や風のないところでは受粉できずに実がなりません。

高層階のベランダでは虫がいないかもしれませんのでやはり受粉できにくいです。

なので間違いなく受粉させるために人工的に受粉させてやる必要があります。

やり方はけっこう簡単です。

花粉のついた花を選んで摘み取り他の花にこすりつけます。または筆や綿棒などで花粉をつけて、他の花にこすりつけます。

満開の時期に日を変えて何度か繰り返しすると間違いないです。

雨がふるとせっかくこすりつけた花粉が流れてしまったりするからです。

なのでこの時期は水やりも花にはかけずに根元に与えるようにするとよいです。

晴れた日の8時ぐらいにすると受粉しやすいそうです。

もうすぐ多くの実もの樹種で花の時期がやってきます。
ぜひチャレンジしてみてください。


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