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そろそろと春の兆しを感じる季節になってきました。
地域によってはまだ寒さが厳しいところもあるかもしれません。
だいたいこのちょっとまだ寒いくらいの時期から、休眠していた植物が目覚めはじめます。
一旦、目覚めると気温の上昇とともにぐんぐん成長していきます。
すごい勢いで葉を生やし、枝を伸ばします。
盆栽は小さい鉢でコンパクトに鑑賞するものですから、大きさをキープするための作業が必要になってきます。
「芽摘み」と呼ばれる作業です。
その名の通り、春先から伸び出す新芽を摘み取ります。
自然の樹のように新芽を伸ばしっぱなしにすると、小さな鉢の上の植物では節と節の間が長くなりすぎ自然界の樹にはない不自然な形になってしまいます。
鉢の上に自然を表現するために、実際の樹の姿に近づけるために、節間を短くなるように芽摘みをします。
新しい芽をとっちゃうってことは、これ以上は大きくならないの?
木を成長させないってこと?
そんな疑問が湧いてくるかと思います。
一本の枝を上に上に外に外に伸ばして成長させるのではなくて、いっぱいの枝を作っていく成長をさせないといけないのです。
植物は先端の芽から伸び出していく特徴があります。
この先端の芽をつむことで、その下側にある芽に力がまわり、幹の近くから枝を作ることができます。
芽にも大きいものや小さいもの、成長が早いものや遅いものといろいろあります。
成長が早い芽を摘むと遅い芽に力がまわります。
芽摘みには芽の力をコントロールすることで全体の勢いを均一化する目的もあります。
また花や実のなる盆栽ではしっかりと芽摘みを行うことで開花結実が確実なものとなります。
もともと花や実は成熟した樹にしか咲いたり成ったりしませんので、芽摘みをするというのは樹を成熟させるということでもあります。
実際のやり方はまた時期がきたら画像で説明したいと思いますが、ここで知ってほしいのは、なんのためにするのかということです。
作業の目的がわかれば作業が楽しくなりますし、やり方もわかってきます。
樹の成長をコントロールして形を作っていくのが盆栽の醍醐味でもあります。
芽摘みはそのための大事な作業ですので、始められて間もない人はぜひ覚えておいて下さい。そして時期がきたら頑張ってチャレンジしましょう。